rej55's note

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ヒルベルト空間

ある集合\(H\)が複素ベクトル空間を作り, 任意の\(x, y, z\in H \)に次の性質を満たす内積\(<x, y>\)が定義されているものとする. \begin{align*} <x, x>\geq 0, <x, x> = 0 \Leftrightarrow x=0 \end{align*} \begin{align*} <x, y> = \overline{<y, x>} \end{align*} \begin{align*} <\alpha x, y> = \alpha <x, y> \end{align*} \begin{align*} <x+y, z> = <x, z> + <y, z> \end{align*} このとき, \( H \)を内積空間と呼ぶ.

内積空間\( H \)において, ノルムは, \begin{align*} ||x|| = <x, x>^{1/2} \end{align*} とすればよい.

このとき, シュワルツの不等式 \begin{align*} |<x, y>| \leq ||x||\cdot||y|| \end{align*} が成立する.

シュワルツの不等式がいえると, 三角不等式が成立し, 内積空間\( H \)は, 先ほどのようにノルムを定義するとノルム空間となる.

先ほどのノルムを導入すると, 内積空間はノルム空間となり, 連続性や収束性を議論することができるようになる. とくに, ベクトル演算やノルムなどは連続となる. しかも, 内積空間では内積も連続になる.

内積空間\( H \)が, 内積から定義されるノルム\( ||x|| = <x, x>^{1/2} \)に関して完備になっているとき, \( H \)をヒルベルト空間と呼ぶ. ヒルベルト空間はバナッハ空間であるから, バナッハ空間で成り立つ諸定理はヒルベルト空間でも成り立つ.