rej55's note

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正規直交系

ヒルベルト空間\( H\)でもユークリッド空間と同じように\( <x, y> = 0 \)となるようなベクトル\(x, y\)は直交するといい, \(x \perp y\)と表す. 0でないベクトルの集合\( \{\phi_j \} \)が, \begin{align*} j \neq k \Rightarrow <\phi_j, \phi_k> = 0 \end{align*} を満たすとき, \( \{\phi_j \} \)は直交系であるという. さらに, すべての\( j \)について\( ||\phi_j|| = 1\)となっているとき, 正規直交系であるという.

線形代数学においては, あるベクトル空間の任意のベクトルを, そのベクトル空間内で1次独立なベクトルの族を用いて表せるとき, そのベクトルの族を基底と呼ぶのであった. ヒルベルト空間でも同様に基底を定義できるが, その際1次独立なベクトルの族を有限とは限らず, 無限に選ぶことができる. また, 基底が正規直交系であるとき, 正規直交基底と呼ぶのも線形代数学におけるベクトル空間の理論と同様である.

例として, \( \frac{1}{\sqrt{2\pi}}, \frac{1}{\sqrt{\pi}}\cos{t}, \frac{1}{\sqrt{\pi}}\sin{t}, \cdots , \frac{1}{\sqrt{\pi}}\cos{nt}, \frac{1}{\sqrt{\pi}}\sin{nt}, \cdots \)は, \begin{align*} \int^\pi_{-\pi} \cos{mt} \cos{nt} dt = 0 (m \neq n) \end{align*}

\begin{align*} \int^\pi_{-\pi} \cos{mt} \cos{mt} dt = \pi (m \neq 0) \end{align*}

\begin{align*} \int^\pi_{-\pi} \sin{mt} \sin{nt} dt = 0 (m \neq n) \end{align*}

\begin{align*} \int^\pi_{-\pi} \sin{mt} \sin{mt} dt = \pi (m \neq 0) \end{align*}

\begin{align*} \int^\pi_{-\pi} \sin{mt} \cos{nt} dt = 0 \end{align*}

となることから, これらは正規直交系であるといえる. これらはフーリエ級数に関する理論で登場することとなる.